祖父母と同居する機会が減っている現代において、将来、在宅介護をすることを想定して、若い世代が、高齢者や認知症高齢者にどのようなイメージを持っているのかを知ることは、高齢者にとっても、若者にとっても有用な情報であると考えた。SD法を用いてポジティブイメージとネガティブイメージについて質問紙を配付し調査した。その結果、評価、力量、活動の他に親和性、円熟性の5つの因子が抽出された。高齢者に対しては知恵と温かさに対してポジティブイメージが持たれており、ネガティブイメージは老化と頑固さであった。一方、認知症高齢者は認知機能の低下というイメージから、高齢者の持つ知恵が欠落した役に立たない、汚い存在となってしまう。しかい暇そうにしている、頑固で、プライドが高い、威張った存在というイメージは、共通する結果であった。円熟性の因子が大きいことが、若者の手本になるばかりでなく、良好な関係性を育てる要因になるようであった。