https://doi.org/10.1007/s42973-026-00254-8
本研究は、高水準かつ増加する政府債務が、財政不安を招くことなく、なぜ低金利および低成長と両立しているのかを分析する。金融摩擦を伴う内生的成長モデルを構築し、流動性不足が低金利と低成長の共通要因であることを示した。政府債務は、流動資産の供給を拡大することで資産の収益率を高め、その結果、長期の経済成長率を押し上げる。日本経済への適用から、日本は現在、流動性不足の状態にあり、それが、低金利と低成長をもたらしていること、さらに、政府債務の増加にもかかわらず金利が低下してきた理由を説明できる。さらに、基礎的財政収支黒字化政策の効果も検討している。