本稿では、生物多様性が企業の経営課題である理由を、①人類の生存に不可欠な生物多様性を毀損することは倫理に反する、②生物多様性の保全はCSRとして求められている、③生物多様性は企業にとってリスクでも機会でもあり、その取り組みが企業業績に影響を与える、④生物多様性への対応を怠ると機関投資家が投資対象から除外する可能性がある、と整理したうえで、日本企業に対しては開発行為には生物多様性オフセットを実施し、サプライチェーンでは持続可能な資源購入比率100%とすることによって生物多様性への負の影響ゼロを目標とすることを提案した。