樋口一葉と環境-本郷菊坂〈窪地の心理学〉
国文学
P.94~P.100 樋口一葉と環境をめぐる考察である。一葉にとって縁の深い土地、本郷菊坂は高低差の激しい特殊な地勢をしている。その窪地の底で貧乏な借家生活を余儀なくされていたことは、一葉の人生にどのような影響をもたらしたのか。日常的に貧富の境界を体感させられたことが、屈折した境界意識を形成するに至ったと論じている。