可能性の時代に―樋口一葉「十三夜」
跡見学園女子大学短期大学部紀要第43集
P.1~P.8 「十三夜」において月明かりのもとの別れの場面が設定されていることの意味を考察したものである。一葉は女性作家として、明治という可能性の時代に投機を試み、その過程で時代の光と影を見てきた人間である。その経験が、時代と添い寝できない人間たちへの暖かいまなざしをもたらしたことを明らかにした。