美登利のゆくえ―『たけくらべ』のウチとソト
跡見学園女子大学人文学フォーラム第6号
P.21~P.34 樋口一葉『たけくらべ』を正統と異端という視点から解読した論考である。テクストは地域の子どもたちによる主導権争いを描いた、正統と異端をめぐる物語になっているが、テクストのソトの座標軸を導入すると、登場するすべての子どもが近代の子どもとしては異端の存在として括られる。とりわけ主人公である美登利の異端性が高いことを指摘し、遊女という職業を選択したことで、どのような未来が想定されるかを論じた。