本研究の目的は、キャリア・アンカーをセルフ・アセスメントするサイコエデュケーショナル・グループを実施し、その効果を検証することであった。また、統制群として、キャリアに特化しない自己理解をテーマとしたサイコエデュケーショナル・グループを設定し、その比較検討も行った。対象者は、通信制の大学生である。実験群は11人統制群30人である。現在イメージでは、preにおいて実験群の方が統制群よりポジティブな傾向にあった(10%水準)。また、統制群においては、postではで有意にpreよりポジティブな方へ変化していた(0.1%水準)。未来イメージでは、preにおいて実験群の方が統制群よりポジティブであった(5%水準)。時間イメージでは、統制群においてpostでよりポジティブな方へ変化していた(5%水準)。実験群において、自身のキャリア・アンカーを知ることができたものの、厳しい現実の中で、新たな課題(キャリア)を突き付けられた形となった可能性を考察した。
◎宮崎圭子・斉藤やす子
印刷中