本研究の目的は、現代の女子学生が結婚・育児を通して「働く」ということをどのようにイメージしているのかを明らかにすることであった。関東圏内の女子学部生50名および大学院生(女子)13名を対象にアンケート調査を行った。結婚(子ども無し)、結婚(育児休暇中)それぞれを想定した2種類の刺激文を提示し、物語を作成してもらった。作成された物語を分析した結果、以下のことが明らかとなった。子ども無し群においては、仕事と家事の両立を選択した者は半数近くに上った(47%)。また、葛藤を描いた者も半数となった(50%)。仕事を辞めることを選択した者は1人もいなかった。子ども有り群においては、半数を超えた者(65%)が両立を選択した。仕事を辞めることを選択した者はわずかであった(6%)。軽い仕事に変えた者もわずかであった(3%)。以上より、現代の女子学生は子どもの存在に関わらず、仕事と家事の両立を展望していることが示唆された。 ●篠崎 恵・宮崎圭子