本研究では,メールカウンセリングにおいて,ポライトネス表現である敬語がどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とした。研究対象者は,関東圏内のA学部生254名であった。刺激文3種類(ポライトネス,ややポライトネス,ノンポライトネス)を作成した。作成した刺激文3種類のうち1つを提示し,尺度に回答,刺激文を読んでの感想を自由記述してもらった。「ノンポライトネス」より「ややポライトネス」の刺激文を読んだ人のほうが,自信を失う場面が少なかったことが明らかとなった。また,「ノンポライトネス」より「ややポライトネス」の刺激文を読んだ人のほうが,当初の症状・問題以外にも悩むことが少なかったことが明らかとなった。そして,「ややポライトネス」の返信文は,他の2つの返信文と比較して,丁寧さやカウンセラーへの信頼度が高いように見受けられた。また,「ややポライトネス」において,他の2つで見られた“解決策を望む声”はほとんど見られなかった。
〇須藤麻衣・宮崎圭子