本研究の目的は,効果的なメールカウンセリングのアプローチを示唆することにあった.首都圏X社(EAPサービスを提供)が行っているメールカウンセリングで,終結に至った247通のメールカウンセリング本文から,計量テキスト分析(KH Coderソフトウェア)の対象となりえる125通(内、カウンセラーからのメールは62通)を分析対象とした.それらにKH Coderによる共起ネットワーク分析を行いった。各ケースのカウンセラー毎に対する共起ネットワーク図に40%強~100%の割合で,敬語を含むポライトネス表現語がそれなりの中心性をもって抽出された.テキストのみで展開されるメールカウンセリングにおいては,特に「敬語」を含むポライトネスの効果を明らかにすること,ポライトネス表現におけるClの共感性への影響の量的検討が今後重要であるという事を考察した.(宮崎圭子・梅澤志乃・松本桂樹)