本研究では、大卒女子のファーストキャリアにおける早期離職者と継続在職者の心理的プロセスの異同を検討することを目的とした。半構造化インタビューを実施し、各調査協力者の発話を計量テキスト分析による共起ネットワークを用いて、中心性の高い語を抽出し、検討した。1.本調査対象者の退職は単なる「不適応による退職」ではない。その挫折を通しての「新たらしいキャリア形成に向かっての退職」であったこと、2.就業経験のある者や就業中の者の継続要因について、特に、在職者の発話内でメンターと呼べる者の存在が明らかとなった。そういったメンターの存在は、就業継続の要因の一つと考えられこと、以上の2点を考察した。
〇室木栗子・宮崎圭子