本研究の目的は,女子大学生を対象にアンフェアな事象に対する怒りに対して,適切に効力を発揮できるように捉え直し,かつ,適切に対処できる心理教育プログラムをデザインし,その効果を検討することであった。研究対象者は,実験群(大学3年生)15名,統制群(大学2年生)15名であった。従属変数をポジティブ感情尺度の4つの下位尺度および各質問項目,独立変数を群および時期とした,2要因の分散分析(混合計画)を行った。その結果,4つの下位尺度のうち「快適さ」「健全な闘争」「素朴な安らぎ」において有意にポジティブな方へ高くなった。「健全な闘争」変化に関して、研究対象者はアンフェアなことに対する怒りを捉え直し、適切に怒りを表出できるよう変容したと考察した。(小野寺・宮崎)