本研究の目的は,青年期女子を対象に,鈴木(2023)の開発した「親準備性を活性化させる心理教育プログラムPPRA修正版(Psychoeducational Program for Parent Readiness Activation:以降,PPRA)」を,さらに修正した「PPRA修正版2」の効果検討である。研究対象者は,X女子大学に所属する大学生で,実験群12名,統制群15名であった。実験のプログラムは,リボーンドールとのワークを中心としたものだった。評価方法には,親準備性傾向尺度(諸井ら,2016),ポジティブ感情尺度(伊藤・宮崎,2012)を用いた。従属変数を親準備性傾向尺度の4つの下位尺度変数,および従属変数をポジティブ感情尺度の4つの下位尺度変を従属変数,独立変数を群および時期とした,2要因の分散分析(混合計画)を行った。その結果,前者では,プログラム実施前よりも,実験群において,下位尺度「子どもへの関心」の方が高くなった。統制群は有意な変化がみられなかった。また従属変数をポジティブ感情尺度の4つの下位尺度変数,独立変数を群および時期とした,2要因の分散分析(混合計画)を行った。その結果,後者では,プログラム実施前よりも,実験群において,下位尺度「快適さ」が高い傾向となった。統制群は有意な変化がみられなかった。以上により,本プログラムは効果があったことが明らかとなった。赤ちゃん人形であっても,接触体験の回数が増えるほど,乳幼児 へのポジティブな感情や概念がよりポジティブな方向へ変化することが明らかになったといえる。(代 麻奈美・宮崎圭子)