CISGにおける事情変更の原則

跡見学園女子大学マネジメント学部紀要第24号43-53頁

契約締結後に当事者が予見できなかった事情が発生し、当初の契約内容に当事者を拘束することが信義則上著しく不当な場合に、契約の解除や契約内容の変更を認める法理が事情変更の原則である。国際ルールであるヨーロッパ契約法原則（Principles of European Contract Law（PECL））はその6:111条において事情変更の法理について規定しているが、CISG（UnitedNations Convention on Contracts for the International Sale of Goods）はPECLのように事情変更法理を規定せず、その79条に免責規定のみを置いている。そこで、本稿ではCISGにおける事情変更の法理の問題について検討した。