「債権者代位権の意義に関する一考察(二・完)」
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要第8号59-74頁
債権者代位権は責任財産を保全するための制度と言われるが、債務者の責任財産の保全とは異なる利用が現実にはなされている。債権者代位権の法的性質に関する包括的担保権説は、特定債権の保全のための代位権行使などを代位権制度の転用と捉えるのではなく、むしろこれらの場合が代位権の重要な存在理由とする。本稿では、日本民法上の債権者代位権の起源とされ、一般担保権の保障を目的とするフランス法上の間接訴権との比較を交え、日本民法上の債権者代位権の意義を再評価した。