学術論文

基本情報

氏名 酒井 佳永
氏名(カナ) サカイ ヨシエ
氏名(英語) yoshie sakai
所属 心理学部臨床心理学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

名称

気分障害患者の女性同居家族が医療機関に期待する支援に関する研究

単著、共著の別

単著

年月日

2016/03/15

発行所等

跡見学園女子大学文学部紀要

出版社

巻・号

第51号

開始ページ

終了ページ

査読の有無

概要

<背景と目的>精神疾患の患者を支える家族への支援は、患者のリカバリーを達成するために重要である。しかし統合失調症患者の家族への支援と比較して、気分障害患者の家族への支援は十分に行われておらず、その理由として気分障害患者家族の支援ニーズが明らかにされていないことがあげられる。本研究は、気分障害患者の女性同居家族による医療機関に対する支援ニーズを把握するとともに、配偶者と親の間でどのように支援ニーズが異なるかを探索的に検討することを目的とした。
<方法>インターネット調査会社マクロミルの登録モニターのうち、気分障害者の配偶者もしくは子どもと同居していると回答した20歳から65歳の女性517人に調査を依頼し、調査期間(2015年11月28日~2015年11月30日)に回答した300人(配偶者249人、親51人)を解析対象とした。調査内容は、各種家族支援サービスの利用を希望するかどうかを問う5項目(5段階評価)と、「医療機関に期待する家族支援サービス」に関する自由記載を含む調査を依頼した。配偶者と親で支援サービスの利用希望が異なるかどうかをMann-WhitneyのU検定およびχ2検定で検討し、医療機関に期待する家族支援サービスについて質的な分析を行った。
<結果>配偶者は親よりも年齢が若く教育水準が高かった。また配偶者と同居する患者の年齢は高く、罹病期間は長かった。親は配偶者よりも家族支援サービスの利用を希望していた。家族支援サービスへのニーズに関する自由記載の質的分析では、【医師との関係】【相談内容】【家族が集まる会】【具体的な支援】【患者本人への支援の充実】【(期待する支援は)ない】という7カテゴリと28のサブカテゴリが抽出された。
<結論>家族の支援ニーズは医師との関係改善、心理的サポート、疾患への対処法、家族会への参加、経済的負担の軽減など多岐にわたっていた。また多忙な家族でも利用できる電話やインターネットによる支援や、支援の存在を広報する必要性が示された。一方、症状安定期には負担が軽減するため、家族支援より患者の治療を充実させ、患者の社会復帰を促進して欲しいという希望もあった。今後、家族が必要とする支援を、より利用しやすい方法で提供するとともに、患者のリカバリーを促進する社会復帰支援を行うことが家族の負担を軽減するために重要である。