精神科研修医を対象に、双極性障害患者およびその関係者に推奨される心理社会的介入について解説した。双極性障害患者および関係者に対する心理社会的介入に関する要点は以下のとおりである。①すべての双極性障害患者に早期から心理教育をおこない、治療アドヒアランスを高め、患者が自律的に再発防止に取り組めるようにする。②心理教育の基本要素として、治療アドヒアランスの推奨、継続的な症状モニタリング、ストレス管理、生活リズムを規則的にすること、疾患の受容とセルフスティグマの改善、アルコールの摂取量を減らすことなどがある。③家族への心理教育も重要である。また双極性障害の症状が家族に与える影響に留意し、家族のニーズにもとづいた支援をおこないながら、家族からの治療協力を得ることが有用である。