グローバル化する金融資本市場においては、取引の一層の効率化がもたされる一方で、市場の不安定性が増幅される傾向がある。このため、市場メカニズムは最大限尊重されるべきであるが、市場に全てを任せることには慎重であるべき。
こうした金融資本市場の不安定性を補い、金融システムの安定化をもたらすためには、金融機関の情報公開や市場規律に基づく内部リスク管理だけでは十分ではなく、政府によるバランスシート規制、レバレッジ規制、短期資金流入規制などの事前規制、預金保険や公的救済などの事後規制が重要であり、また、政府のきめ細かい監視・監督体制も必要である。