歩行者と自転車が快適に移動できる都市空間のデザイン手法を、主としてオランダの都市を事例に研究しています。徒歩と自転車は体を使って移動する交通手段であることからアクティブ・トランスポテーション(active transportation)とまとめて呼ばれ、地球温暖化、高齢化、あるいはコロナ禍など、今日の都市が直面する様々な課題に対する解決策として、世界的に注目されています。オランダは小さな国ですが、アクティブ・トランスポテーションに関しては、きめ細かな自転車道のネットワークをつくりあげるなど、革新的な政策を世界に発信してきました。一方でその過程では、代わりに車線を減らすといったことを伴うわけで、市民の間で大きな論争が繰り返し起きてきました。こうした社会的・政治的プロセスを明らかにすることも研究テーマになっています。