四日市の戦後都市形成史 -コンビナート全面化直前期までの計画行政思想の実態について
四日市市史研究
12号
戦後、コンビナートが全面的に操業を始める1960年代初頭までの都市形成を、計画行政思想に係わる問題を中心に論じている。県市当局は戦前同様、住工密接につながる土地利用を放任し、また工場地帯隣接地区での公共住宅の建設を行った。この時期すでに工場の事故、公害が頻発し、住工分離の必要性は認識された。しかし、土地利用規制を含め計画に基づき行政を進めていくことの必要性が十分認識されていなかったため、上のような都市政策が実行されたのであった。