学術論文

基本情報

氏名 坪原 紳二
氏名(カナ) ツボハラ シンジ
氏名(英語) tsubohara shinji
所属 観光コミュニティ学部まちづくり学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

名称

アムステルダム市のオーバーツーリズム対策:新型コロナウイルス感染症流行前後に導入された土地利用規制を中心に

単著、共著の別

単著

年月日

2022/04

発行所等

日本都市計画学会都市計画論文集

出版社

巻・号

57(1)

開始ページ

76

終了ページ

89

査読の有無

概要

アムステルダム市は2010年代半ばより、オーバーツーリズム対策を土地利用、交通、景観、経済、マナー等多様な分野にわたり実施してきた。新型コロナウイルス感染症流行後においても対策を維持し、さらに部分的には強化し、中心市街地を観光地から、アムステルダム市民が生活する場へと転換しようとしている。そこで本稿は、主として土地利用規制に焦点を当て、アムステルダム市がこれまで実施してきたオーバーツーリズム対策を明らかにし、ポストコロナにおける日本の観光地を考えるうえでの示唆を得ることを目的とする。アムステルダム市は中心市街地において、地区土地利用計画によって新たな観光客向け店舗の立地を禁止し、またホテルの新設も認めない方針をとっていた。民泊とB&Bについては、住宅ストックを守る視点から、居住機能を維持することを求めていた。飲食店に対しては、コロナ対策としてテラスの拡張手続きを緩和したが、中心市街地の住環境を守るための措置も盛り込んでいた。市が2020年末に提案した計画は、観光規制の枠を超える施策も視野に、中心市街地を市民が生活する場に転換することをめざしていた。