中心市街地への自動車進入規制の方法：オランダの3都市を事例に

観光コミュニティ研究

跡見学園女子大学観光コミュニティ学部

第4号

中心市街地という限られた区域の中で歩行環境を抜本的に改善するには、自動車から歩行者へと道路空間を再配分することが不可欠で、そのためには中心市街地の自動車交通量を削減することが前提となる。本研究は、オランダの都市が導入を進めつつある、自動車抑制区域の規制の詳細を分析し、必要な自動車のアクセスを認めつつも自動車交通量の削減を実現する、規制の方法を明らかにすることを目的とする。文献調査により特定したハーレム市、アメルスフォールト市、レーワルデン市の3市について、市議会関係資料を中心に分析し、また現地で交通規制の実態を把握した。その結果、自動車利用の規制の程度は違うものの、いずれも実効性のある規制を導入し自動車交通量の削減を実現しており、またそのことがさらなる歩行環境の改善を求める世論の喚起につながっていることが分かった。