四日市都市改造事業の計画性に関する考察
日本建築学会計画系論文集
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四日市に対し1960年代、住宅地とコンビナートとの分離(「都市改造」)を求める各種報告が出された。本論文は60年代初頭より72年公害判決までの時期に焦点を当て、この都市改造への同市の取り組みを、計画性の観点から検証した。1966年策定の『都市改造マスタープラン』に反するインフラ整備を手がけるなど、同市の取り組みは計画性を欠いていた。この背景には、マスタープランを非現実的な理想像とみなす、前期以来の計画行政思想の未熟さがあった。