「OECD国際教育指導環境調査(TALIS)2018報告書」によると、OECD加盟国48か国・地域の中で、小中学校ともに、日本の教員の1週間当たりの仕事時間の合計は、参加国中最長であることが明示されている。しかも、前回の2013年度調査結果に比して、改善されるどころか、むしろ悪化している状況である。一方、文部科学省は、平成28年に、「次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためにタスクフォース」を設置して、同年6月には、教職員の業務の在り方と業務改善の方策に関する具体的な改善案を、国・教育委員会・学校毎に「学校現場における業務の適正化に向けて」と題して示し公表している。しかし、本来であるならば、教員の働き方改革が軌道に乗って、教員に心身のゆとりができてから教育改革が行われるべきなのだが、それが逆になっているために、教員の勤務の苛酷さは、現在ではさらに悪化し増大している。その全体的な調整ができていないところが、日本の教育行政の最大の問題であることを指摘したもの。