「吉野秀雄とはつ子 第九回―念願叶う―」
砂丘短歌会
株式会社 第一印刷所
「砂丘」2016・夏号(総頁数32)
大正10年9月18日付はつ子宛書簡(未発表。神奈川近代文学館特別資料)によると、吉野秀雄の父藤一郎は、大正10年9月1日に、富岡の栗林家を訪れて、秀雄とはつ子との交際の許可を願い入れていたことがわかる。この申し入れに対して、9月5日に、はつ子の父栗林愛乃助から正式に受諾する書簡が届き、二人は念願叶って両家の認める仲になることができたのだが、なぜかここに至るまでの三~四ヶ月間の記録がほとんど残されていないのが疑問が残る。