ミュージアム・ライブラリの原理と課題について、竹橋・東京国立近代美術館のアートライブラリでの30余年の体験的実践から、特に欧米美術図書館員の先達が示し、筆者自身が繰り返し参照系としてきた5つの命題、すなわち、[1]つながること(co-operation)・[2]多様性(diversity)・[3]一人図書館員(OPL: One Person Librarian)・[4]アート・ドキュメンテーション学会(JADS: Japan Art Documentation Society)の成立とMLA連携の萌芽・[5]一国の主題専門図書館における「部分と全体」(artels vs monoliths)を紹介し、今後の課題の提起を試論して、特集「博物館・美術館の図書室をめぐって」の巻頭総論とした。