学術論文

基本情報

氏名 河村 英和
氏名(カナ) カワムラ エワ
氏名(英語) kawamura ewa
所属 大学 観光コミュニティ学部 観光デザ
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

名称

日本における「スペイン風・南欧風」建築への偏愛について

単著、共著の別

単著

年月日

2023/03/31

発行所等

『跡見学園女子大学 観光コミュニティ研究』第2号、2023年、pp. 23-49

出版社

巻・号

開始ページ

23

終了ページ

49

査読の有無

概要

PP. 23-49. 戦前の日本では、米国経由のスパニッシュ様式建築が浸透した。当時はファッショナブルな建築様式と捉えられ、1920年代以降、白壁とオレンジ色の洋瓦の個人住宅、ホテルなどの公共建築でこの様式を採用するものが増加した。戦後は、飲食店でもスパニッシュ様式が流行し、徐々に1970年代にはマンションでも好まれ、気候・地形的に地中海と親和性が高い地域だけでなく、南国のイメージと結びつきにくい内陸部にも南欧風意匠の建物が広がった。
1980~90年代は、バブル景気によって海外旅行がより身近になり、本物の南欧建築に接する機会が増え、さらにオレンジ瓦と白壁のスペイン風建築が流行する。1992年は、バルセロナ・オリンピックとセビリア万博の開催もあり、スペイン風でもとくにアンダルシア風への偏向が強まり、気候・地形的に地中海と親和性が高いところを中心に、アンダルシア風をイメージしたリゾート開発やまちづくり(伊王島、賢島、沖縄、宇和島、淡路島、南房総、宝塚、横浜本牧など)が行われた。
バブル崩壊後は、テーマパークは廃れてしまったものの、スペイン風・南欧風の町並みを模した商業施設(アウトレット、ショッピングモール、ホテル、結婚式場)を建設する流行は引き継がれ、近年はSNSで写真映えする関心から撮影スポットとなり、映画やドラマのロケ地としても再び注目されている。コロナ禍中の渡航制限や解除後も円高インフレで旅費が高騰し海外旅行がしづらくなると、国内にいながら外国気分に浸れる場所として、海外の建物や町並みを模した商業施設の人気が再燃している面もあるが、バブル期に興隆したスペイン・南欧風の建物は、そろそろ過去の遺産の仲間入りをする準備期間に来ている