沖縄県伊江村の「民家体験泊事業」の社会的影響について
商経論叢 第49巻第2号
九州産業大学商学会)
第49巻第2号
沖縄県伊江村で展開される「民家体験泊」は生業を行なう一般家庭に修学旅行生などが滞在し、人々と交流しながら生業や生活文化を体験する観光形態である。その特徴は第1にこれまでの航空企業あるいは旅行産業主導の沖縄観光のあり方ではなく、地域主導という姿勢を事業開始当時から取った点である。第2に新たな開発を伴わず、既存の生業や生活文化などの地域資源を活用する点である。第3に現代社会で失われたものを取り戻そうという今日的な意義、第4に入込みや経済効果の拡大を追求しないという点である。