修学旅行は、定説では明治中期に東京師範学校によって創出されたとされる。初期の修学旅行は滞在を含む教育旅行であり、行軍と呼ばれる軍事スタイルの行進と博物観察などを組み合わせたものであった。その後、全国の師範学校と中学校がこのタイプの修学旅行を採用した。やがて、行軍は鉄道旅行に置き換えられ、軍事訓練は修学旅行から分離した。その結果、修学旅行は見学を主体とする観光形態となり、大正および昭和の期間にわたって日本の学校で継続的に実施されるようになる。このように修学旅行が広範に支持された主な要因は、修学旅行が幅広い人々に観光を体験する機会を提供したことであった。