台湾北投温泉の変遷、温泉文化の受容と変容
日本観光研究学会全国大会論文集
No.14
pp.217-222 台北市郊外の北投温泉を対象として、植民地における文化生成の問題を時系列的に整理した。植民地期の北投温泉には日本の文化租界的な要素が強く、日本の温泉文化の移植は、総督府の近代化政策と密接に関係しながら展開された。光復後は国民党政権下において、温泉遊興文化の台湾化が進行した。近年党国文化の衰退と台湾ナショナリズムの興隆とともに、温泉文化を植民地期まで遡及して復興する動きも見られた。