Twelve Years a Slaveにおける平等主義：自由人と奴隷の境界線

順天堂大学

『医療看護研究』

10.1

南北戦争（1861～65年）前の北部で誘拐され、奴隷として南部に売られたアフリカ系アメリカ人（黒人）のソロモン・ノーサップ（Solomon Northup）は12年間、奴隷としての生活を強いられた後、深南部から奇跡的に救出された。その後、北部で彼が著した奴隷体験記は、自由黒人としての視点から南部奴隷制を客観的に描写し、その非人間的なシステムを批判している。過酷な奴隷体験の描写から、当時のアメリカ社会が定義した自由人と奴隷とのさまざまな境界線を明らかにしている。