pp.8-17
19-20世紀転換期、アフリカ系アメリカ人(黒人)女性は各地で女性クラブを作り、保育・教育・福祉等の分野で人種向上の社会運動に関与した。本論では、運動のきっかけとなった2人の黒人女性、ジャーナリストのアイダ・B・ウェルズと元教師でNWAC(全米黒人女性協会)初代会長のメアリ・チャーチ・テレル(Mary Church Terrell)を対比させ、なぜ黒人男性よりも早く黒人女性が人種向上のための全米組織を設立しえたのかをテーマに、黒人女性たちの社会的使命感や活動の軌跡を明らかにしている。