欧米の少女誘拐・長期監禁事件サバイバーのレジリエンス ~ナラティヴ分析を中心に~
順天堂大学
『医療看護研究』
13.2
21世紀初頭、誘拐・長期(6カ月以上)監禁事件サバイバーである欧米女性(Elizabeth Smart、Natascha Kampusch、Jaycee Dugard)が発行した体験記を質的に分析し、3人のレジリエンス獲得過程を明らかにした。分析の結果、3人を精神的解放に導いた要因として「監禁中の(ささいな)主体的反抗」、「家族との絆(の記憶)」、「執筆による過去の再定義」が抽出された。性犯罪サバイバーへの心的外傷治療法の確立やサバイバーの人権への配慮も必要であることも明らかとなった。