河合栄治郎と大日本帝国
イギリス理想主義研究年報
河合の植民地認識や明治憲法観について実証的に検討したもの。日本の台湾統治や満洲支配の現状に不満を抱き、将来的にその返還を視野にいれながらも、当時の国民感情や国際情勢を考慮して、とりあえず実現可能な道を探究する一方で、明治憲法体制においてできるだけ民主的な政治運営を目指した「理想主義的現実主義者」としての河合像を指摘した。