近代日本における功利と道義―リベラリストの言説を中心に
沖縄法政研究
功利と道義という観点から、福沢諭吉、内村鑑三、河合栄治郎、土田杏村、石橋湛山の5人の思想家の言説を分析したもの。近代日本における思想家の第一世代といえる福沢が、道義から功利への価値観の転換をすすめたのに対して、第二世代の内村は、功利を否定して道義に立ち戻ることを主張した。第三世代の河合、土田、石橋は、近代化の功罪を認識できていたため、功利と道義の調和する思想を展開した過程を明らかにした。