江原万里論-憂国とキリスト教
キリスト教と諸学
内村鑑三門下の無教会派クリスチャンである江原万里の全体像の解明を目指したもの。祖父で幕末の志士であった鞍懸寅二郎との関係、青春期の懊悩と信仰、『聖書的現代経済観』をはじめとする専門の経済学研究、晩年の「鎌倉講演」について、未公開の河合栄治郎宛江原万里書翰等の史料を用いて考察し、自我というより国家ないしは社会への関心から思想・信仰活動を展開したという江原の特質を明らかにした。