土田杏村の日本研究
銅鑼
「文明批評家」土田杏村の晩年における日本研究について分析した論考。大正末期に土田は、その代名詞といえる「文化主義」の旗を下ろし、「日本人の精神生活」の解明を目指して、国文学、日本美術史、日本古代史の研究に全力をあげて取り組むようになったが、それは、関東大震災以降顕著になった国粋主義、日本主義的思想動向への牽制という意味を持つものであったことを実証的に論じた。