河合栄治郎の理想主義哲学とファシズム批判
東洋学術研究
自由主義者河合栄治郎の行動原理は、「あらゆる成員の人格の成長」を最高目的とする理想主義哲学にあったが、河合はいかにしてその理想主義哲学を取得し、また、それを維持しながら、全体主義に覆われていく状況のなかで痛烈な社会批判に結びつけていくことができたのかを、令和2年に河合の遺族から譲り受けた未公開史料を解読しながら、実証的に論じた論考。