石橋湛山と河合栄治郎は、近代日本における自由主義者の中でも際立った存在として知られている。本稿は、彼らの思想形成および自由主義者としての言論活動を比較分析した。その学生時代・思想形成期にキリスト教に基づく理想主義的個人主義の洗礼を受け、「自己実現」「人格の成長」を課題とするに至った彼らが、大正デモクラシー期に、理想主義的個人主義の観点から労働問題論、普通選挙論、植民地認識等において進歩的な見解を表明して、デモクラシー的思潮を牽引し、満洲事変から日中全面戦争に至るまでの時期に、軍部の政治的能力を疑問視して、その政治介入を批判する一方で議会政治の強化を強く主張したことを明らかにした。