「大正教養主義」再考-土田杏村と河合榮治郎から見る
二十一世紀への思想
北樹出版
同年に生まれ、同時代に自由主義・理想主義を主張した二人の思想家の思想を概説的に論じ、唐木順三『現代史の試み』に代表されるような「大正教養主義」に対する否定的評価の再考を促したもの。土田や河合の理想主義思想が、自己の内面に閉じこもりがちになる阿部次郎らの「大正教養派」とは異なり、内面的自我の実現に努めると同時に、積極的に社会発展に貢献しようとする性格を有するものであったことを論証した。