水着の歴史に見る身体意識の変化
服飾文化学会誌
Vol.6 No.1
近代的水着の発展のプロセスを把握し、身体意識の変化を探った。女性は水泳の技術を習得すると機能的な水着を求めるようになった。露出が多く、不適切であるとされたが、次第に容認され、社会は機能性を持った女性の肉体の美しさを認識した。女性自身も身体の表現への関心を高め、やがて機能性を超えて肌や身体の形態の露出を多くすることが水着のファッションとなったが、一般のファッションにおいても同様の現象を誘発し、20世紀ファッションにおける身体意識の方向決定要因の一つとなったことが認められる。