有田町のような伝統工芸品産業を主産業とする地域は、その限定された地理的な特性のため、ものづくり産業の育成が難しい地域の一つである。こうした中で、近年、有田町では「食」と「器」をテーマにした焼き物の町とする魅力を高め、交流人口や関係人口の創出と拡大に取り組んでいる。しかしながらそれらの取り組みから観光まちづくりを実現するという試みは決して容易ではない。まずは観光客に地域へ来訪してもらい、再訪を促すという仕掛けが必要であるとの考えに沿って、本研究では、地域資源の再発掘と観光資源化による来訪者の満足度を通じて交流人口の維持・拡大の潜在的可能性を検証した。