学問的認識論としての『精神の現象学』「序文」――(その一)第一段落~第十二段落
『跡見学園女子大学文学部紀要』
跡見学園女子大学
第50号
ヘーゲル『精神の現象学』「序文」の読解上の困難を克服するための解釈を、その第1段落から第12段落に関して試みた。とりわけ、ヘーゲルの内容目次に照らして、その「序文」は学問的認識論であることを明らかにした。そのうえで、内容目次にしたがって、「(一)真なるもののエレメントは概念であり、概念の真の形態は学問的なシステムである」、「(二)精神のいまの立場」について解釈を加え、従来の解釈に難点のある場合これを論拠もをって是正した。