歪まぬベルリン空間――鴎外が『舞姫』で伝えたかった情景について
国文学―解釈と教材の研究―(学燈社,第50巻第2号)
PP.6-16 森鴎外の『舞姫』において記述されているベルリンの情景について、実際にあった情景をモデルとせずに歪んだ虚構を鴎外になすりつける小泉浩一郎の議論に対して、ブランデンブルク門と神女の像がパリ広場において実際に目視することのできる情景であること、太田豊太郎がモンビシュウ街に至るにはマリエン教会前を通らざるをえないこと、これらのことを写真及び地図並びに当時のテキストによって実証し、小泉の議論が無意味であることを論じた。