楽園の終焉-Sir Harry Hotspur of Humblethwaiteにおける家・階級・ジェンダー
『跡見学園女子大学文学部紀要』 第49号
8頁(pp.23-30 ) 『ハンブルスウェイトのホッツパー卿』には、上流階級の家名に対するプライドの「犠牲」となるヒロイン、エミリーをめぐる「痛ましい出来事」が描かれている。この悲劇の背景には、1860年代後半から70年代のイギリスにおける社会構造に関わる様々な変化がある。ホッツパー家の穏やかな「楽園」に幕が下りる一方で、自立し、たくましく生きていく脇役ルーシーの姿に、新しい女性」の生き方が示唆されていることは意義深い。