ディケンズの小説の大きな魅力の一つである女性キャラクターについて、中期のDavid Copperfield 以降の小説に焦点を当て、考察した。ディケンズのキャラクターは一面的であると批判的に言われることも多いが、David Copperfield やGreat Expectationsでディケンズは多様な女性キャラクターを描いた。特に「家庭の天使」の規範から外れた女性たちの苦悩や後悔、変化、成長等の描写に、この時期のディケンズの女性に対する洞察の深まり、大きな進歩が認められる。
『コミュニケーション文化』 11頁 pp.28-38