学術論文

基本情報

氏名 香山 はるの
氏名(カナ) カヤマ ハルノ
氏名(英語) kayama haruno
所属 文学部人文学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

名称

ディケンズの女性キャラクター -Great Expectations を中心に-

単著、共著の別

単著

年月日

2004/03/15

発行所等

『跡見学園女子大学文学部紀要』 第37号

出版社

巻・号

開始ページ

終了ページ

査読の有無

概要

11頁(pp.37-47)
ディケンズの女性キャラクターはこれまでしばしばヴィクトリア朝のイデオロギーに縛られた一面的、画一的なものと評されてきた。実際、当時の社会が理想とした「家庭の天使」賛美、「家庭の天使」(善)と「逸脱した女」(悪)との二極化などが、多くの作品の中に認められる。しかし、Great Expectations など1860年以降の作品においては、女性の描かれ方が微妙に変化していく。ミセス・ジョー、ミス・ハビシャム、エステラなど、家父長制社会に反抗、復讐を試みた女たちはそれぞれ「報い」を受けるのだが、彼女らの置かれた境遇、心理的葛藤をディケンズは鮮やかに描いている。この3人の「逸脱した女」たちの生命力溢れる描写や苦しみを経て成長していく姿は、過つことのない「家庭の天使」ビディを圧倒する力をも内包している。