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1850年代後半から80年代にかけて書かれたトロロープの短編、長編には多くのアメリカ人女性が描かれている。
本稿では“The Courtship of Susan Bell”における「家庭の天使」のようなヒロインから、He Knew He Was RightやThe Duke's Childrenにおける才気溢れるアメリカ東部出身の女性たち、The Way We Live Nowにおける美しくも危険な「堕ちた女」など様々なタイプのキャラクターを分析した。そしてこれらのキャラクターの中に、トロロープのアメリカ滞在の経験やケイト・フィールドとの交友の影響、及び彼のアメリカ、さらに自国イギリスに対するアンビバレントな態度を探った。