「嶽麓書院蔵秦簡の形式とその書風」
跡見学園女子大学
跡見学園女子大学文学部紀要 第55号
2007年、湖南大学嶽麓書院は香港古玩市場で大量の秦代の簡牘を購入した。これを嶽麓書院蔵秦簡と命名した。その数量は2000枚を超えるものであった。嶽麓書院蔵秦簡の書風を内容ごとに整理し、その特徴を探ってみると、方折体を中心としながらも、長脚に作るものや横画を湾曲させるもの、払い出しを紡錘形に作るもの、横画に派勢を持たせるものなど、それぞれバリエーションが豊かであることがわかった。書写年代の違いのみならず、複数の書き手の個性や書写習慣の違いがそこに反映されていたことが分かった。査読:有