〈陽嘉残碑〉考 ーその呼称・建碑年・書風についてー
淑徳大学書学文化センター
白鴎社
『書学文化』第16号
桓帝が即位する10年ほど前に刻された、通称〈陽嘉残碑〉と称される遺例にスポットを当て、桓帝期に隆盛した代表的漢碑(礼器碑)とその書きぶりの相違を比較したものである。ここで「通称」としたのは、その名称に揺れが見られるためである。また残碑なるがゆえに発生する厄介な問題の一つに立碑年の議論がある。本論考では、淑徳大学蔵〈陽嘉残碑〉拓(三本)を用いて、その名称と立碑年の問題、さらには各種の著録で指摘されている書風にも焦点をあてて検討した。総ページ数は14頁。図版、表を付す。